ペットを飼うことで子どもに命の大切さを伝える情操教育

ペットを飼うことで子どもに命の大切さを伝える情操教育 子どもの情操教育

どんなに小さな生き物にも命があります。

大人になればわかることでも、子どもは悪気なく生き物の命を粗末にしてしまうことがありますよね。

それは命としての実感がないことや、死んでしまうという意味が理解できないことでそのようなことをしてしまうのです。

しかし生き物を飼育することで、子どもにも命の大切さを伝えることができます。

今回は、私が幼稚園教諭として実際に子どもたちと生き物を飼育した経験や、我が子と一緒にペットを飼ったことでどんな影響があったのかをお伝えできればと思います。

幼稚園や保育園で生き物を飼育することで子どもに与える影響

幼稚園や保育園で生き物を飼育することで子どもに与える影響について、まずはお話していきます。

保育園で動物を飼育する中での子どもへの影響はどんなものがあるのでしょうか?

ウサギ・ハムスター・ニワトリなどの飼育

幼稚園で飼育する動物

ウサギ・ハムスター・ニワトリなど保育園に常にいる動物として飼育する場合です。

職員が動物や飼育スペースなどを用意し、年長児など動物の扱いが理解できる年齢の子どもが保育士と一緒に日々の世話をします。

保育の現場で小動物を飼うことで子どもたちに与える影響について、見ていきましょう!

世話をすることで責任感を持つ

動物を飼うということは、人間が世話をしないと病気になったり死んでしまったりします。

そのため、日々当番制にしてエサやりや水替え、掃除などをします。

子どもは当番などの“自分のお仕事”が回ってくることが大好きです。

「今日は自分の番だ!」「明日お当番だ!」と喜んで世話をするようになるのです。

しかし始めははりきっていた子も、慣れてくると「遊びたいんだけど…」なんて自分のしたいことを優先してしまい、渋る子も中には出てきます。

でもこの気持ちも大事なことなのです。

子どもは目新しいことが大好きなので、最初だけ食いつきがいい子が多いのですが、動物の飼育は最初だけではなく、ずっと続きます。

飽きたからといって世話をやめてしまったらどうなるのかを考える良いきっかけとなります。

大人が答えを与えるのは簡単ですが、子どもたちが自分で考えられるように「ご飯を食べなかったらどうなるかな?」「水を飲めないとどうなると思う?」など投げかけます。

すると子どもたちの中から「お腹空いてかわいそう!」「喉渇いて死んじゃう!」などの声が出てくるのです。

そこで「じゃあどうしたらいいと思う?」と問いかけると「ちゃんと毎日ご飯あげる」「遊ぶ前にお世話する」など自発的に動こうとします。

徐々に「自分たちが世話をしないと動物は生きられない」と理解し、“動物を育てる”“小さな命を守る”という意識に変わっていきます。

そして、そのために自分から動こうとする責任感を持つことができるのです。

動物に会うため保育園に行くことが楽しみになる

かわいい動物がいることで、毎日保育園に喜んで行くようになります。

朝、登園したら真っ先に動物の様子を見に行く子も多いです。

新年度や連休明けなどは特に「行きたくない」「ママがいい」など登園を渋る子が多くいますが、そんな時に動物が保育園で待っていると思うと、気持ちを切り替えられる場合があります。

登園してからすぐに遊ぶ気持ちになれない子も、しばらく動物の様子を見ることで自然と笑顔になり、いつの間にか元気に遊びだしているのです。

言葉がなくても人の心を癒してくれる、動物の持つ力は大きいですよね。

思いやりの気持ちが育ち、小さな命を大切にする

日々動物の世話をすることで愛着が湧き、子どもにとっては“友だち”同然な関係になります。

すると自然に、優しく扱い、嫌がることはしないなど思いやりを持って触れ合うようになるのです。

動物の様子がいつもと少しでも違うと保育士に伝え、心配する姿も見られます。

また、動物の死に立ち会う瞬間も経験するでしょう。

どんなに大切に育てても、小さな命は短く儚いことを子どもなりに感じる機会となります。

死んでしまったら悲しいこと、もう会えないことを実感します。

「たくさん遊んでくれてありがとう」とお墓に埋めてあげ、感謝の気持ちを持って見送ります。

今まで可愛がっていた動物の死は、大人が伝えるどんな言葉よりも、子どもの心に大切なことを教えてくれるのです。

カエルやバッタ、ちょうちょなどの観察

保育園では園庭で遊ぶ機会が多く、様々な昆虫や小動物と出会います。

その際に捕まえる楽しさを感じたり、観察していろいろな発見をしたりします。

図鑑を見て名前を知ったり、身近にいる虫に気づいたりする大切な経験です。

しかし虫などの小動物は環境の変化にとても弱く、飼育ケースに入れた状態ではすぐに弱ってしまいます。

「逃がしたくない!」「持って帰りたい!」という子も、動かなくなってしまった虫を見て初めて、捕まえたままにすると死んでしまうことに気づきます。

その経験から、次に虫を捕まえた時は「死んじゃうと悪いから逃がしてあげよう」「元気でね!」と元いた場所に返してあげるのです。

これは年齢の低い子どもでも、命の大切さに気づくことのできる機会となります。

>家でペットを飼うことで子どもに与える影響

我が家ではハムスターを飼っていますが、子どもにとてもいい影響を与えていると感じます。

ほとんどが保育園で動物を飼育する部分と一緒で、

ということを学べていると実感しています。

家にいることでより身近に感じ、友だちであり家族でもある特別な存在になっています。

話しかけたり、触れ合ったりしていると外で感じた疲れも吹き飛ぶのでしょうね。

毎日の世話をすることが日課になり、日に日に愛着も沸いているようです。

また、小さい動物の扱い方に気を付け、思いやりを持って触れ合うようになりました。

命の大切さを知り、ペットのハムスター以外の動物や虫に対しても粗末な扱いをすることはありません。

ペットを迎えてよかったなと実感しています。

まとめ

生き物を飼育することで子どもに与える影響についてお伝えしました。

保育園でも家でも、動物が与える影響は大きく、言葉でなく経験として子どもに大切なことを教えてくれます。

子ども自ら考えたり気づいたりすることで、学ぶことが多いと思います。

もちろん、大人が実際に動物を大切に扱う姿を見せることも大事です。

生き物を粗末にすることなく、大人も子どもも一緒に小さな命を守っていきたいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました